今年もやってくる! 第参幕 南砺獅子舞 [秋の陣・城端]②

南砺獅子舞

出演①上百瀬(かみももせ)の獅子舞(利賀地区)

 南砺市利賀地域・上百瀬集落では、毎年5月5日に神明宮で「上百瀬の獅子舞」が奉納されます。保存団体は上百瀬獅子方若連中。演者は成年男性を中心に、子どもや女性も加わり、二人立ちの獅子が力強く舞を披露します。雄獅子と雌獅子が夫婦のように寄り添い、笛・太鼓の音にのせて、大神楽、豆拾い、蛇舞など多彩な演目が繰り広げられます。

飛騨地方から八尾町野積を経由して伝来したとされる歴史ある舞で、地域にとっては春の訪れとともに無病息災や五穀豊穣を祈る大切な伝統行事となっています。 

 

出演②上村(かみむら)の百足獅子(利賀地区)

 同じく利賀の上村集落では、5月4日に神明宮で「上村の獅子舞」が行われます。特徴的なのは、11人が竹のカヤの中に入り、百足のように連なって動く「百足獅子」。大きな獅子頭を操り、複数の“獅子取り”が刀や扇、なぎなたなどを用いて舞い、演目には三拍子、棒舞、刀舞、鎖鎌舞といった格闘的要素も含まれます。その起源は江戸時代の能登地方にあり、庄川町を経て伝えられたと言われています。

現在では他地域からの応援も得ながら、地域に根差した獅子舞文化を守り伝えています。壮大な構成と一体感のある舞は、見る人を圧倒する迫力に満ちています。

 

参考引用:南砺市文化芸術アーカイブズ

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10月11日、南砺市の城端別院善徳寺とその周辺を舞台に、「南砺獅子舞 秋の陣 城端」が開催予定です。これまで井波(2019年)、五箇山(23年)で開催されてきたこの共演会は、地域文化の継承と発信の場として注目されており、3回目となる本共演会は規模も内容も拡充。獅子舞団体同士の交流に加え、ワークショップや展示、練り歩きといった多彩なプログラムが準備されています。特別観覧席も設けられ、ゆったりと伝統文化を堪能できます。

世代や地域を超えた交流の場としても定着しつつあり、若手の育成や後継者確保への足がかりにもなっています。来場者には、獅子舞が受け継ぐ土地の祈りと誇り、そして熱気を全身で体感してほしいものです。南砺の伝統芸能の魅力を一堂に味わえるこの機会、ぜひ秋の城端で獅子の舞を間近に感じてください。

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